多くの大人たちは、グレタさんの演説からお叱りを受けて、逆切れをしているようだ。彼女の演説の中で、実際、意味のあったデータは、あまり取り上げられていない。
どちらにしても、人間の手には負えない状況なのだけれど、希望がないと生きられない私たちは、希望を作り上げて、何とか生活をしている。その作り上げられた希望実現のための政策も実現できずに、一瞬でも長く生きようともがいている。
ある種の子供たちはというと、大人に、何とかしてくれとデモをしているけれど、実際、彼ら自身は、特に具体的な改善のための行動はとっていない。プラカードを持ってつっ立っている時間があれば、もっと環境について勉強するとか、ごみ拾いをするとか、電気消費量を削減するためにビデオゲームをやめるとかしたほうが、大人にアピールできるのではないだろうか。大人にアピールしても、まず、大人の環境問題の解決能力を期待することはできない。
グレタさんに、現実はもっと複雑なのだよと教えてあげようとする人もいるらしいが、そういうことを言う人物の多くは、悪事を、善行に見せかけるために複雑なことをして、のし上がってきたに違いない。まっとうなことを言っている人間に批判されたときに、言い返す手口として、「世の中そんなに簡単じゃない。」「まだ青い」「年を取ればわかる」というものもあるけれど。
彼女の言っていることは、決して間違えていない。あまりに当たり前のことで誰でも知っていることだろう。
ところである新聞記事に、温暖化よりも、その対策のほうが被害が大きいと書いた変な記事があったが、あまりのすごさに、コメントしようとしたら、コメント欄がない記事だった。世界の気温の上がり方は、たったの1.5℃とか書いていたが、1℃上がるということが、どんなにすごいことか、どうやら知らないらしい。有害な温暖化対策をやめて、今まで通り、がんばって利潤を追求し、貧困を広げないようにしようじゃないか。という話だったように思う。
貧困の原因がどこにあるかもわかっていないのだろうか。
以前、ソビエト連邦が崩壊し、ロシアとなり、ゴルバチョフの下で改革が行われた。今まで、上の命令でだけ動いてきた人々が、突然、命令ではなく自らの意思で労働しなくてはならなくなった。それで、一時的な経済の混乱があった。東ドイツの崩壊でも、そうだった。たとえ良い変化であっても、過渡期の一時的混乱は避けられないものだ。社会の思春期のようなものだ。しかし、やらなければならないことは、やらないといけないのだ。
環境問題を解決するためには、かなりの大きな変化が求められる。多分、人社会の基盤そのものをひっくり返さないと問題は解決されない。今まで、甘い汁を吸ってきた階級だけではない、この変化で一時的に苦しい思いをするのは、労働者階級や、貧困層も含まれるに違いない。かわいそうだけれど、これが現実だ。永遠に続く苦しみをとるか、一時的な苦しみをとるかの選択なのかもしれない。
でも、実は、手遅れなのだ。地球を創造した神以外解決できない。無神論者で、かつ非常に現実的な人間にとっては、とても苦しい時代だろうと思う。
Wednesday 16 October 2019
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